ヒトヒトの実モデル“ニカ”は覇気を無効化する説
前回の記事に続いて。
黒ひげとルフィは幾度となく「対」の立場で描かれますが、
それは悪魔の実も然りでしょう。
ヤミヤミの実は「最も凶悪」
ヒトヒトの実’ニカ’は「最もふざけた」…。
ヤミヤミの実の性質を深堀りしてみます。
- 闇の空間にあらゆるものを引きひきづり込むことができる
- あらゆる痛みを常人以上にひきづり込む
- 闇の引力で能力者の実態を引き寄せ、該当者の能力を無効化する
解放の戦士と称されるルフィは全てを闇に閉じ込める黒ひげと、対になっていることは明白。今回の記事では3つ目について深掘ります。
闇の引力で能力者の実態を引き寄せ、
該当者の能力を無効化する。
ワンピースの戦闘を分解してみると、「ベースとなる戦闘力」「悪魔の実による能力」「覇気」「奇天烈なアイデア」に分けられます。ベースとなる戦闘力と奇天烈なアイデアは漫画にとどまらず現実にも存在する戦闘方法ですからさておき。
ブログ著者が考察するに黒ひげが「悪魔の実による能力」を無効化できるなら、ルフィは「覇気」を無効化するのではないでしょうか。そのなかでも「覇王色」。
覇気は見聞色・武装色・覇王色の3種に分類されますが、見聞色は未来予知、武装色はロギア系への対抗策として存在意義をなしています。一方、覇王色は格下を気絶させたり覇王色を纏って戦いのグレードを高めたりだとか、いわば社会構造における上下関係を確固たるものとする力であると感じます。
レイリーの説明。
相手を威圧する力、とありますね。
覇王色は、強者と強者が同じ土俵に立つための力。
そして、格下を気絶させる力。
ルフィが海賊王になったあとでは、「私欲を誇示する独占的な王」などいなくなるはずですから、彼の悪魔の実の能力で覇王色をはじめとした覇気をなくすことが理想的ではないでしょうか。
【ネタバレ有】ルフィの新戦闘方法にまつわる「アラレちゃん」と「マスク」からのヒント
※最新話の考察が含まれます。
ジャンプ最新号にて登場した「ギア5」ですが、力の発現方法は悪魔の実の覚醒によるものでしたね。CP9戦で登場したギア2は、血流を早めてこれまで以上のスピードと力を引き出す戦闘が可能に。ギア3では風船の容量で体内に空気を送り込んだ巨大化、またギア4ではゴムの伸縮性に武装色の覇気を加えた戦闘スタイルに。いずれも、一般的な“ゴムの性質”のもとに成り立つ、読み手側の理解の範囲内であったと思います。
一体、次のギア5ではゴムの性質を活かして、どんな風に戦闘スタイルが変化すんだろうと思考を巡らせていました。考察界隈では、超人系における能力の覚醒の事例を元に、「周りの物もゴム化させて戦うスタイル」になるだろうとの意見が散見されました。その点に限り、結構な人数が正解していたと思います。
当ブログ著者は、ドラゴンボールGTのゴジータSS4が好き。据え置き機やアーケードゲームではそればっかり使っていました。腕を組み足技で敵を弄ぶ様は、まさに最強。
尾田先生も鳥山先生をリスペクトされているので、主人公が強くなればなるほど容姿も戦闘もかっこよくなっていくと推察していました。
ルフィのギアも上がれば上がるほど、容姿とクールな戦闘スタイルに磨きがかかってくるのかと胸が弾んでいましたが、期待を裏切ってくるのが尾田先生。
ルフィの悪魔の実の枕詞は…
五老星のひとり:「“世界で最も…ふざけた能力”だと聞いている…‼︎」
最もふざけた能力
諸説ありますが、表向きのラスボス説に多く散見される「黒ひげ」。
ティーチはサンジと並ぶかそれ以上の悪魔の実オタクと評されています。
そんな彼は、エースとの決闘の際にヤミヤミの実をこのように表現したのです。
最も凶悪な能力
実の能力が凶悪なのか、食べた人間が凶悪な人格であったのか定かではありませんが。
悪魔の実の説明において、「最も」という言葉が枕詞につくものは多くないでしょう。
ですから、黒ひげvsルフィの対戦が実現したのなら、
最も凶悪な能力vs最もふざけた能力
この構図が実現されますね。
「最も凶悪な能力vs〇〇〇〇な能力」
ここを考察しようとすると、ドラゴンボールから考えれば「最強な能力」とか、「最も善良な能力」なのかと考えてしまいますが、ゴムゴムの実(正式:ヒトヒトの実モデル「ニカ」)の戦闘方法は、「漫画」もしくは「トゥーン」における“ギャグチック”なスタイルでした。
凶悪の対義語に、まさか「ふざけた」がくるとは。「最凶vs最強」の構図を作りたがる少年漫画のセオリーをぶち壊してくるあたり流石尾田先生ですよね。尾田先生にとって悪への対抗策とは「暴力」などの力ではなく、「ユーモア」である。ルフィを通してそんな哲学が垣間見えますよね。
しかし、「ユーモアのもと広がる戦闘」が如何せん想像し難いのです。
名作「マスク」と「アラレちゃん」から考察できるギア5の戦闘方法
「マスク」では気弱な主人公がマスクと呼ばれる仮面を被ることで、他者の人格と常軌を逸した能力が宿り、問題をおこしながらも多様な壁を乗り越えていきます。
ここで注目すべきは、
まるでスマイルの副作用かのごとく、ことあるごとに「あっひゃっひゃ…!」と大笑いするルフィ。カイドウがホロブレスを繰り出した際、ルフィの戦闘では類を見ない目玉が飛び出す表現。マスクの表現でありがちな立ち回りが見受けられます。
マスクの主人公だって、シリアス気味なシーンであっても、驚いたのなら目を飛び出しますし
一見、武器なしでも「ユーモアさえ感じられれば」、何もないところから大量の銃が出てきます。戦闘だってなんだって、ユーモアさえあればOK。それがギア5の戦闘における前提条件なのかもしれません。
あんなに苦戦していたカイドウをブンブン振り回したり、地面を掴みまくり上げてホロブレスを弾き返したりと、行っていることがギャグ漫画のそれです。
アラレちゃんでも同じシチュエーションが散見されます。
単純な戦闘能力もあるアラレちゃんですが、ドラゴンボールとコラボした際のことです。サイヤ人の王子、ベジータ様との戦闘で…
この通り。
ある種、ギャグ漫画を土俵にしてしまえば怖いものなんてない。
ちょっと古いジャンプ漫画に「ラッキーマン」という作品もあります。どんな敵な困難でも、運だけで敵を倒すがコンセプトです。目には目を、歯には歯を。ではなく、目には愛(Eye)でもよくなったわけです。()
ギャグ漫画やトゥーン調に戦闘ができるようになったルフィはある意味、最強になったと言えるでしょう。ギア5で繰り出す技として考えられるのはゴムで分身をつくる、吹き出しや効果音で攻撃するなどでしょうか。
ワンピースフィルムGOLDで出てきた「バカラ」もまた、それに近しい匂わせだったのかもしれません。どんなことでも面白おかしく解決してしまうルフィの覚醒した能力は、「ラキラキの実」の上位互換とも考えられますね。
ヤミヤミで能力を無効にされることが優先されるのか、ルフィのふざけた能力が優先されるのか。トレーディングカードゲームみたいで考察に拍車がかかりますね。
ユーモアの戦闘といえば、我らが「ゴット・ウソップ」。力をとんちや嘘で対抗した彼が神と称されたのもニカの能力の伏線だったと言えるでしょう。ウソップの今後にも期待です。
【番外編】ワンピース考察ーモノに宿る"精霊"という概念ー
いまワンピースがとてつもなくおもしろい!
ほぼ勢いに任せつつ、ほとばしる高揚感を
つたない考察に乗っけて、ブログに残します。
本日の仮説
①モノに宿る''精霊”は、空白の100年で敗北した「巨大な王国の戦士の意識」ではないか
②意識たちは巨大な王国を滅ぼしたキーマンによって黄泉の国に封印されている
メリー号に宿った精霊に残る謎
ONE PIECE 351話 "クラバウターマン"より
「クラバウターマン」
空島編とCP9編でボロボロになったメリー号。
一連の戦いで退路を断たれた一味を迎えにきたのは、
誰も操縦していないはずのメリー号でした。
この現象に対して、フランキーからこんな説明が。
「信じるも何も、そりゃあお兄ちゃん、”クラバウターマン”を見たのさ。
船乗りに語り継がれる伝説で、本当に大切に乗られた船にのみ宿る妖精。
メリー号との別れはファンの中でも屈指の名シーンとして語られていますが、これを美談や作中の都市伝説にまとめてしまうには少ししこりが残るのです。
Dr.ベガパンクが研究したモノに意識を付与する技術
我々日本人はメリー号に宿る妖精をいわゆる八百万の神のような存在と捉え「モノに意識が宿る事象」を、あたかも普通であるかのように受け入れてしまいました。モノに意識が宿る事象をすんなりと受け入れるのはナンセンス…。
ここで鍵となるのが、Dr.ベガパンクが成功した
悪魔の身をモノに食べさせ意識を持たせる技術です。
ワンピース.Log ネタバレ/考察/伏線/予想/感想 より引用[/caption]
どのような手法か計り知れないですが、ベガパンクの最新技術を用いてモノに悪魔の身を食べさせることで、科学的手段でモノに意識を宿すことを実現しているのです。
技術を広げるには、それ相応のデータの蓄積が必要です…。
このことから、Dr.ベガパンクは既に「モノに何かが宿る現象」の謎を
ほぼ解明&分析していることがわかります。
ゾオン系悪魔の実は「その生き物と化す効果」と「生き物の意識」に分解できる
冷静に考えれば、ただ拳銃にイヌイヌの実を取り込んだとしても…
こうなるはず。
単にイヌの容姿と化すだけで、微動だにしないはずです。
無機物な拳銃に意識がないのですから、悪魔の実自体に意識があると捉えるのが妥当。これらを踏まえて、以下のように解釈してみると納得できます。
モノに悪魔の実を食べさせる技術は動物系(ゾオン系)にしか事例がないため、悪魔の実はゾオンに限り「意識」と「その容姿と化す効果」に分解できると仮定できます。この2つを取り込んでようやくモノに能力を付与させることができるのです。
悪魔の実を介さず意識を持ったメリー号
ここで改めてクラバウターマンの件を振り返ってみると、悪魔の実を介さずに「メリー号の意識」が具現化しています。(見聞色が成す技説もありますがモブ含め全員聞こえてるのでバツ)
となると…作中における「意識」のありかは、悪魔の実の中だけに限らないのではないでしょうか。
もし仮に意識のみが存在する貯蔵庫のような空間があるとします。何かしらのきっかけを機に、その空間から意識がモノに降りてくると合致がいきます。
- 悪魔の実ならば、その実を無機質なモノが食べたら。
- メリー号ならば、この上なく愛情を注がれたら。
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その貯蔵庫が黄泉の国であったならブルックが大活躍しそうですね。
今後の展開に期待!
最大の敵は、ホビホビの上位互換である説
以上の仮説が正しいとすると、黄泉の国に「意識」が集まるこの構造をつくったのは、空白の100年における勝者側で間違いないでしょう。
ドレスローザ編で登場したシュガーの能力のように、巨大な王国サイドの敗北者がもろとも、黄泉の国に「意識」として封印されている。また、謎多きゾウに関しては「歩くことしか許されない」とされていますが、もものすけが意識の貯蔵庫の鍵を開くきっかけになっているのかも。
黄泉の国に意識を封印する能力者。そんなぶっ飛んだ能力がラスボスだったら面白そう。